麻雀基礎知識指南 〜 step 2:「ポン」「チー」について

リアン
「あ、そうだ、そう言えば麻雀をやっていると『ポン』とか『チー』とかやってるけど、
 あの技のやり方を教えてよ」
ティナ
「技…って。じゃあ、『鳴き』について、どういうものかを教えるよー」

ティナ:リアンは「ドンジャラゲーム」ってやったことある〜?
リアン:うーん…。聞いたことはあるけど…。やったことはないなぁー…。
ティナ:あちゃー、ドンジャラをやったことのある人はわかりやすいと思ったんだけどね! 要は他の人が捨てた牌を横取りすることだよ。
リアン:えっ、じゃあ相手が捨てた牌を好きなように取れるの?
ティナ:いやいやいや、いくらなんでも自由に好きな牌を取れたらゲームになんないよ。条件があるんだ。



●ポンについて

ティナ:まずは「ポン」について。2枚揃っている牌があるとき、誰かが同じ牌を捨てたら「ポン」ができるんだ。



ティナ:例えば、こんな手牌だとして、誰かがを捨てたら「ポン」ができる。何回でもできるよ。

   

ティナ:ポンをした牌はみんなに見せてね。
リアン:なんで横向きにしてるの?
ティナ:誰から取ったのかをわかりやすくするためなんだ。この場合は真正面の人――つまり「対面」の人からポンをした場合。

    

ティナ:左隣――「上家」の人から取った場合は左を横に、右隣――「下家」の人から取った場合は右を横にしてね。
リアン:なるほどー。同様にも誰かが捨てたら、「ポン」ができるってことね?
ティナ:まあ、そうだけど、必ず「ポン」をしなくちゃいけない、ってわけじゃないからね。しなくてもいいときが大半かな。


●チーについて

ティナ:次は「チー」について教えるよ。「チー」は「ポン」の「順子」バージョンみたいなものだよ。
リアン:順…、ってことはみたいな形のやつだよね?
ティナ:そうそう。さっきの形の状態から説明するよ。



ティナ:「ポン」と同様、順子がひとつ欠けているときに「上家の人が捨てた牌を横取り」することができるんだ。これが「チー」。
リアン:あれっ? 「ポン」と違って、横取りできる人が左隣…、つまり自分の順番の前の人からだけなの?
ティナ:そう! ここが「ポン」と「チー」の違うところ! さすがに他の3人から「チー」しまくりだったらゲームが早く終わっちゃうよ〜。

   

ティナ:ここで上家の人がを捨てたら、とくっつけられるよね。当然「チー」は左隣の人の牌しか取れないから、左端に横にしてね。
リアン:んー、「324」ってなんか気持ち悪いなぁ…。ってやっちゃダメなの?
ティナ:それは残念ながらダメ〜。左隣の人から何を取ったのか、って目印になっているからね。ちゃんとを取ったよ、って示さないと。
リアン:あれ、って部分も「チー」ってできるよね? でもこれってでもでも「順子」になるよね? どっち捨てられたら「チー」できるの?
ティナ:これはどっちが来てもOKだよ。逆にって持っていて、を捨てられた場合、でもでもチーできるよ。
リアン:なるほど、「チー」は組み合わせ自由なのかー! じゃあ、この「鳴き」ってのを覚えちゃえば、簡単に「あがり」の形にできるんだね!
ティナ:あーっ、ちょっとタンマー!



●鳴いた場合も「あがり」の形に「役」を含ませないとダメ

リアン:あれ、あれ…?? 早速ゲームで試してみたけど、これじゃあ「あがり」にできませんって言われたんだけど?

 ツモ    

ティナ:良かったねぇ、ゲームで。ゲームだと「あがり」にできないってだけで済むけど、
     普通のルールだと反則は「チョンボ」って言って、無条件で相手に点数払わないとならないんだよ〜。
リアン:ええー、なんで反則なのー? ちゃんと「3枚・3枚・3枚・3枚・2枚」の形になってるのに!
ティナ:前のstepで「役を付けないと『あがり』にできない」って覚えてる〜?
リアン:あ、そうか…! ポン・チーをしても「役」ってのが無いとダメなのかー。あ、じゃあ、こういうのはOK?

 ツモ     

ティナ:…これは何?
リアン:全部「ポン」「チー」。
ティナ:そんな役ありません!!
リアン:ええー、ダメなのー?! じゃあこれ、どうやってあがるの?
ティナ:残念ながら、これはあがりを放棄するしか無いよ。初心者によくあるけど、「ポン」「チー」するだけじゃ「あがり」にはできないから注意してね。
リアン:ううーん…。じゃあ、どういうときに「ポン」と「チー」をすればいいの?
ティナ:要は「役」が入っていればいいんだよー。例えば、こんな役があったじゃない?

 ツモ
 ツモ   
タンヤオ:「2〜8」の数牌だけで組み合わせる役。「ポン」「チー」してもOK。※ルールによっては成立しないこともあり。

 ツモ
 ツモ   
三元牌:「白」「發」「中」のいずれかが3枚揃っているだけで成立する役。どこを「ポン」しても三元牌が3枚あればOK。


ティナ:それと、「ポン」を覚えたから、こんな役も作れるかな。

 ツモ    
対々和:全部「刻子」で揃える役。「ポン」をしてもOK。2翻役。


リアン:ああー、なるほどー! こんな形にできるように上手く「ポン」「チー」をすればいいんだね!
ティナ:「ポン」「チー」してもOKな役はこんな感じかな。それと、前のstepで「鳴いた場合は○翻」なんてのもあったよね?

 ツモ  
チャンタ:鳴いた場合は1翻。

 ツモ  
一気通貫:鳴いた場合は1翻。

 ツモ  
三色同順:鳴いた場合は1翻。

 ツモ  
混一色:鳴いた場合は2翻。

ティナ:これらは「ポン」か「チー」をしていると、1ランクダウンしちゃう役なんだ。完成させるのが簡単になっちゃうからね。
リアン:ねえ、役とは関係の無いところで「ポン」「チー」した下図のような場合ってどうなるの? ポンしてない部分で「一気通貫」ができたけど…。

 ツモ  

ティナ:「123456789」の部分は手をつけていないけど、どこかで「ポン」「チー」をした時点で「鳴いた」ことになるから1翻になっちゃうよ。
リアン:あー、ダメなんだー。「ポン」と「チー」をしたら手牌全部に関連しちゃうってことなのね。
ティナ:あと、「一盃口(イーペーコー)」って役があるんだけど、これは鳴いた時点で成立しなくなる役だから気をつけてね。

 ツモ
一盃口:「567・567」のように、同色同順が1ペアある組み合わせ。1翻役。鳴くと無効。

リアン:これも、関係の無いところで鳴いていても、やっぱり「鳴いた」ってことになっちゃうの?
ティナ:もちろん。下図だと、きっちりと「567」が出来上がっているけど、「ポン」しちゃっているからアウトだよ。

 ツモ  


●3枚持っているだけで「役」になる牌

ティナ:この3種類の牌は3枚持っているだけで「役」になるんだ。

 ロン
 ロン
 ツモ  
三元牌:「白」「發」「中」を3枚持っていると成立する役。鳴いてもいい。1翻役。

リアン:あれっ、この例だと「中」はポンしているけど…、鳴いてもいいんだ?
ティナ:三元牌は鳴いて3枚目を手にしてもいい役なんだよ。一番簡単な役だね。

リアン:そうそう、「東」「西」「南」「北」の牌はどう使うの?
ティナ:これは「風牌」って言って、「三元牌」のように3枚持つだけで役になるものと、ならないものがあるんだよ。
リアン:どれが役になるの?
ティナ:時と場合によって変わる、いわゆる「時価」みたいな役割を持つよ。

ティナ:麻雀は最初の一周を「東場」、次の一周を「南場」と言うんだ。「東風戦」だと最初の一周でおしまい。「半荘(ハンチャン)戦」だと二周遊ぶ。
     「東場」の場合だと、を3枚持っていると役になる。「南場」の場合だと、3枚が役になる。これを「場風牌」と言うよ。
リアン:へえ、要するに、最初の一周はが鳴いても役になる牌になるのね。
ティナ:さらに自分専用の「自風牌」ってのもあるんだ。
     まず、「親」になった人の自風牌は「東」。そこから右回りにそれぞれ「南」「西」「北」が自風牌になるんだ。
リアン:えーと、図で表すと…、こうかな。

西 親:東

リアン:…あれっ、地図の方角だと「北」と「南」が逆だけど…、これでいいの?
ティナ:麻雀の場合はそれでいいんだよ。初心者が一番勘違いする部分でもあるから注意ね。
     もし、自分が親の左隣だった場合は「北」が自風牌。よって、は3枚持っているだけで役になるんだ。
     ゲームの場合だと親切にも「自風牌」が自分ところに表示されるね。
リアン:じゃあ、「東○局」で上の図の場合だったら、のどっちを3枚持っていても役になるのね。
ティナ:そんな感じ〜。ちなみに自分自身が親の場合は「場風牌」も「自風牌」も。よって、を3枚持っていると、それだけで2つ役を得たことになるよ。

リアン:…ところで、「親」って何?
ティナ:カジノのディーラーみたいなもんだよ。順番が回って、自分が「親」の番になったら貰える点数が通常の約1.5倍になる、って考えでいいかな。
     その代わり、他の人が「ツモ」であがった場合、払う点数は他の人の倍払わないとダメ。
     「親」の状態で「あがり」ができたら、もう一回「親」ができるんだ。
     つまり、連続であがればがっつり点数を稼げる、ハイリスク・ハイリターンな立場になるのさ。


●「チー」をして牌を入れ替えてはならない(喰い替え)



リアン:うーん…、2から8を集めて「タンヤオ」にしたいんだけど…、が邪魔だなぁ。どうしよう。
ティナ:ん? ここでもし上家(自分の一つ前の順番の人)がを切ったらどうする?
リアン:そりゃあ「チー」してにして、を捨てれば…タンヤオができるじゃん!
ティナ:あー、それはダメだよ。「チー」をして持ち牌を入れ替えちゃダメって決まりなんだ。
リアン:えーっ…、なんで〜?
ティナ:これを「喰い替え」って言うんだ。大抵はダメなんだけど、「喰い替えもアリ」ってルールだったら大丈夫。遊ぶ前にみんなと確認だね。
     でも、そこまで来たなら、なんか取らずに自分の番で牌を取ってきてイイ牌が来たらラッキーじゃん。
リアン:うーん、でもこのままだと「役」が無いよ?
ティナ:「役」が無くても、鳴いていない状態…「面前」のときには救済措置があるから大丈夫だよ。それについては先のstep5で話すよ。



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