麻雀基礎知識指南 〜 step 5:鳴いていない状態(面前)での「あがり」を狙ってみよう |
ツモ リアン 「step2の続きだけど…、あっ、ティナの言うとおり、いいものが来た…けど、 を捨てて、にしたとしても、『役』が無いよ?」 |
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ティナ 「鳴いていない状態では『役』が無くても成立する役があるから、それを教えるよ〜!」 |
●「面前ツモ」について
ティナ:とりあえず、リアンの今の手牌はこういう形だよね。
リアン:うん、「3枚・3枚・3枚・3枚・2枚」の形になるにはかが来れば完成だよ? でも役が無いよ…。
ティナ:鳴いていようがいまいが、「あがり」の形の一歩手前になったことを「テンパイ」って言うんだ。
山牌、いわゆるカードゲームの「山札」みたいなものだね。
リアン:んー、でもこのままじゃ「役」が無いから、さっきの全部「ポン」「チー」みたいにあがり放棄?
ティナ:「鳴いていない状態」で自分が当たり牌をツモった場合は「面前ツモ」って役が付くよ。1翻役。この場合はかをツモだね。
リアン:へぇー、あがりの「形」だけじゃなくて、運によっても手に入れられる役もあるんだね。
ティナ:この「面前ツモ」は当然、「鳴いていない状態」じゃないと成立しないから気をつけてね。
●「リーチ」について
リアン:うーん、でも自分が当たりの牌を引くだけだなんて、あがりにくいよね…。
ティナ:そんなときは「リーチ」って役を作ればいいよ。
リアン:どうやるの?
ティナ:委託点として1,000点分出して、「リーチ」を宣言するだけでいい。
リアン:??? それってどういうこと?
ティナ:つまり、「もう私はテンパイになっていますよ〜」って宣言する代わりに、1翻役を手に入れる、ってルールだよ。
この形じゃあ「役」が無いから、「リーチ」するしか無いんじゃないの?
もしかしたら、誰か当たり牌を捨てるかも…。
リアン:むー…、しょうがないなぁ。じゃあ、「リーチ」、かな?
⊂・⊃ リーチ
リアン:この1,000点ってどうなるの?
ティナ:見事あがれれば返してもらえるけど、他の人があがっちゃったら取られちゃうよ。
誰もあがらなかった場合は、次にあがった人が貰える。まあ、いわゆる貢ぎ物みたいなものかな。
リアン:貢ぎ物かぁ…。点数を貢いで「役」を拝む、ってことだね。
ティナ:そんなもんかな。…あ、ほら、リアンの番だよ。
ツモ
ティナ:…あちゃーっ、もったいないものが来ちゃったなぁ。
リアン:ん? これってを捨てれば2〜8だけで作る役、「タンヤオ」も入るよね?!
ティナ:残念! リーチしたあとのデメリットは「手牌を入れ替えられなくなる」んだ。テンパイ宣言したのに牌を入れ替えるのはずるいでしょ?
リアン:ええーっ、じゃあ、これってリーチしないで待っていたほうが得だった、ってことー?!
ティナ:あはは、そういうことになるね…。リーチはすぐにしないで、もうちょっといい手牌になってからリーチをする、って手もあるよ。
ティナ:…って、あっ、対面(真正面の人)が当たり牌を捨ててきたよ! あがり宣言するんだ!
リアン:えっ、だって、あれって「チー」の形だよね? 上家(左の人)からしかあがれないんじゃないの?
ティナ:あがり形が完成するときは誰からでも牌を取れるんだ。これを「ロン」って言うよ。
ちなみに、リーチしていても、していなくても、役さえあれば「ロン」できるよ。
ロン
リアン:ロン! …って、えーと…、役は「リーチ」と…、それだけ?
ティナ:それだけだけど、「リーチ」をしてあがれた場合は「裏ドラ」っていうのがあるんだ。
●「リーチ」であがれたときのご褒美、「裏ドラ」
リアン:「ドラ」って確か、step3で話した、ボーナス牌のことだよね?
ティナ:そうそう。こういうふうに積まれていて、表になっている牌の次が「ドラ」だね。
ロン
リアン:ということは、今回のドラは…。ドラ無しってこと?
ティナ:そうだね。でも、「リーチ」をしてあがった場合は、これに「裏ドラ」ってボーナスがさらに付くんだ。
リアン:裏ドラ?
ティナ:「ドラ」の後ろに積まれている牌を開いてみて、その開いた牌の次の牌も「ドラ」になるんだよ。
リアン:へえ、くじ引きみたいだね! どれ…。
リアン:えーと、が出てきたよ。この次の牌が「裏ドラ」…ってことは、も「ドラ」ってこと?
ティナ:そうだよ。リアンは2枚持っているね。と言うことは、「リーチ」と「ドラ2枚」で合計3翻役になるんだ。
リアン:「リーチ」をしてあがらないと「裏ドラ」は見ちゃダメなの?
ティナ:お楽しみだからね。
リアン:なるほど、「リーチ」や「ツモ」はポン・チーしなかった人の特典、みたいな役なのかしらね?
ティナ:そうそう、だから、
「役」が作れなさそうなときはむやみに鳴いたりしないで、じっくりと「面前」状態で「3・3・3・3・2」の形を作ってみることも大切なのよ。
リアン:「役」がある状態で、さらに「面前」状態だと美味しさアップってわけなのね!
●「リーチ」をしなくても「役」があれば「あがり」にできる
リアン:えっ、じゃあ、「ポン」「チー」をしていない「面前」の状態で「役」ができているときは「リーチ」しなくていいの?
ティナ:「リーチ」はあくまで「1翻プラス」させるルール。「役」があるときは無理にリーチをしなくてもあがれるよ。
ティナ:こんな形だったら、文句無しで「タンヤオ」になっているから、リーチをしなくても「ロン」できるよ。
リアン:これで「ツモ」ったら、「タンヤオ+面前ツモ」で2翻役になるの?
ティナ:その通り。「ロン」だと残念ながら「タンヤオ」だけー。
リアン:あれっ、「役」があるときもリーチを掛けられるの?
ティナ:もちろん、それもOKだよ。もし、ここでリーチをして、ツモったりなんかすれば「リーチ+タンヤオ+面前ツモ」で一気に3翻役だね。
それに、リーチをしてから1巡するまでに当たり牌が出るか、次の自分の番で当たり牌が出たら「一発」って役も付く。1翻。
ちなみに、「一発」は一巡するまでに「ポン」などをして誰かが鳴いていた場合は無効になっちゃうから注意ね。
リアン:「裏ドラ」がプラスされることもあるよね。「リーチ」をしたほうが得なんじゃないの?
ティナ:大きな点数を狙うのもアリだけど、さっきも言ったように1,000点貢がないとならないことや、手牌を変えられなくなる点に注意してね。
もしも、他の人も大きな役を「テンパイ」してて、もし自分が相手の当たり牌を捨てちゃいそうだったりすると…、負けちゃうよね。
リアン:うーん、あがれる自信が無いときは、いつでも手牌を変えられるように、リーチをしない、って手もあるのかな…?
ティナ:最初のうちは自分の感性に任せてもいいんじゃないかな。
あとは、自分がトップのときはリーチをしないでおく、とか。大きく点差があるときとかは「裏ドラ」なんかも要らないし、それ以上点数取ってもトップのままだし。
点差は離せるけど、さっきも言ったように、相手の当たりの牌を捨てちゃったりなんかしたら逆転されちゃう可能性もあるし。
それに、上手な人になると、「リーチ」宣言しちゃうと、全く当たりの牌を捨てなくなる、なんてあるからね。
リアン:へー、上手い人はリーチ宣言しただけで当たり牌わかっちゃうのか…。「あがり」の可能性を低くする代わりに1翻チャレンジするようなもんだね。
なるほど、「ポン」や「チー」をして早く役を完成させるのもいいけど、
じっと耐えて、鳴き無しで「リーチ」するのも点数が大幅アップする可能性があって面白いね。
ティナ:それに、他の人が「リーチ」してきたり、「テンパイ」っぽい雰囲気な場合、
鳴いていなければ手持ちの13牌から安全だと思う牌を選べるから、守りにも強くなるよ。
リアン:「ポン」「チー」しまくって手持ちが4枚とかしかないときに「リーチ」されると焦っちゃうのはそれなのかー…。
●「テンパイ」と「ノーテン」の罰符
リアン:そう言えば、ゲーム中、誰も「あがり」にならないで、山牌が無くなっちゃったときは、どうなるの?
ティナ:山牌の残りがゼロになった場合は「流局(りゅうきょく)」って言うよ。そのとき、「テンパイ」になれなかった場合は「ノーテン」と呼ばれるんだ。
もし、誰も「あがり」にならないで、1局終了した場合、「ノーテン」だった人は「ノーテン罰符」ってのが取られる。
リアン:ばっぷ? 罰?
ティナ:他の3人全員が「テンパイ」なのに、自分ひとりだけ「ノーテン」だと、みんなに1,000点ずつ、合計3,000点あげないとならないんだよ。
「テンパイ」が2人いたら、「ノーテン」の2人で1,500点ずつ「テンパイ」の人に、「テンパイ」がひとりだけだったらその人にみんな1,000点ずつあげるのよ。
要するに、全員で合計3,000点の取り引きをするってことね。「ノーテン」の人全員が割り勘で「テンパイ」の人に点数を貢ぐのよ。
リアン:ふーん、じゃあ、必ず「テンパイ」まで牌を揃えておかないと、ソンするのね!
ティナ:ところが、場合によってはそうじゃないんだ。相手がリーチをしていて、明らかに相手の「当たり牌」だと思うものをツモっちゃったとする。
それを捨ててまで「テンパイ」を貫き通す?
リアン:でも、「テンパイ」にしないと、「罰符」ってのが取られちゃうんでしょ〜…?
ティナ:「罰符」は取られたとしても1,000点から3,000点。「ロン!」なんかされたら下手すると8,000点とか12,000点とか…、もっと多く取られちゃうこともあるでしょ?
リアン:なるほどー、だから上手い人はたまーに「テンパイ」を捨てて、適当な牌を切るのね!
ティナ:本当は適当、じゃなくて、相手の「当たり牌」ではないと予測して捨てているんだけどね…。
だから、場合によっては無理して「テンパイ」をするよりも、守りに走ったほうがいいときもあるのよ。
特に1位とかのときは勝っているんだから、相手にどでかい点数をあげる必要無いもんね。
リアン:うーん、だいたい「あがり」にできる条件はわかったかなぁ。
「3枚・3枚・3枚・3枚・2枚」にする、ってことと、なにかしら「役」を入れなければならないこと。
ポンとチーを駆使して役を作るのもアリだけど、役ができそうにないときや「リーチ」をして大きな役にしたいときは「面前」にしてみる…、と。
ティナ:あ、そうそう。「あがり」の条件は確かにそうだけど、今度は「あがれない」条件も教えないとね。
リアン:ええーっ、そんなものあるのー?! なんだか面倒臭いなぁ…。
ティナ:でも、変な打ち方をしなければ避けられるルールだから、次はそれについて解説するよ〜。