麻雀基礎知識指南 〜 step 8:「カン」について

リアン
「あれ、そう言えば、step2で『ポン』と『チー』は教えてもらったけど…。
 4枚揃える『カン』ってのもあるよね? あれは何?」
ティナ
「4枚集めると『カン』ができるようになるんだけど、
 これをするには後々のことを考えてからやらないとダメなんだ!」

●「明カン(ミンカン)」について



ティナ:step2の『3枚持っているだけで「役」になる牌』で勉強したけど、「中」はポンしても役になる牌だったよね?

 

リアン:うん、これさえ鳴ければ、あとはどんなにバラバラでも「役」がついているの確定だよね!
ティナ:じゃあ、この「中」を例題にして「カン」についての説明をするよ。



ティナ:じゃあ、この状態で相手がを切ってきた! 実はこの「中」を横取りできるんだ。
リアン:えっ、もう3枚揃ってるよね? どういうこと?
ティナ:「カン」という「鳴き」があるんだ。

 

ティナ:基本的に「ポン」と同じ。鳴いた人がわかるように並べてね。

  

ティナ:「カン」は4枚手にすることになるけど、これは「3枚」と考えてね。でないと、「3枚・3枚・3枚・3枚・2枚」の形にならなくなっちゃう。

 

リアン:えっ、でもこのまんまだと1枚足りない状態なんだけど…。
ティナ:「カン」をした場合は足りない分を1枚ツモることになるんだ。ツモする牌は特殊で、「王牌(ワンパイ)」から拝借することになる。



リアン:あっ、コレね。ここから1枚ツモるの?
ティナ:ゲーム上だと自動的にツモってくれるから大丈夫だけど、実践だとうっかり忘れちゃう場合もあるから気をつけてね。



ティナ:さらに、「カン」をした場合はドラも1種類増えるんだ。
リアン:へえー、ドラの枚数が増える、ってことは、大きな役になる可能性もあるんだね!
ティナ:注意する点としては、他の人にも「ドラ」を増やしてしまうこと。もちろん、他の人が「リーチ」をしていたら、裏ドラの枚数も増えてしまう。
     例えば自分がぶっちぎりの1位なのに、「カン」なんかしたら相手にドラを増やしてしまう恐れもあるから注意ね。
     自分が得するか、相手が得するかは完全に運だよ。
リアン:あ、そう言えば、「カン」も「鳴く」ことになるよね? これやった場合って「リーチ」できなくなるの?
ティナ:もちろん。当然、役が無いのに「カン」なんかしたら、「リーチ」も「面前ツモ」もできなくなってしまう。
     「ポン」「チー」同様、役が無いときや、もうちょっとで「リーチ」ができそうなときは気をつけてね。
リアン:「カン」でドラを増やすより、「リーチ」して相手にプレッシャーを与えた上に、自分だけ有効な「裏ドラ」めくったほうが得だもんね!
ティナ:その通り! まあ、例外的に「相手よりも早くツモ順になりたい」とか焦らないとならないときとかは「カン」を多用することもあるね…。もはや地団駄。

  

リアン:「カン」のみって役は?
ティナ:意外となんかありそうなんだけど、「カン」のみなんて役は無いよ。3回カンすると「三槓子」なんて役があるけど、かなり難しいよ。


●「加えカン」について

 ツモ  

ティナ:さて、「中」を「ポン」している状態で、自ら4枚目の「中」をツモって来た。
リアン:うん。
ティナ:「ポン」した牌の4枚目を引いた場合、「ポン」を「カン」にすることができるんだ。

  

ティナ:そのまま4枚目を重ねてね。

 ツモ  

ティナ:もちろん、1枚少なくなるので、「王牌」から1枚ツモってね。
リアン:なるほど、だから「加えカン」って言うのかー。これも「ドラ」が増えるの? お得じゃん!
ティナ:確かにラッキーだけど、これは危険な行為でもあるんだ。それについては後述。

相手の捨て牌:
  

リアン:「中」をポンしている状態で相手が「中」をもう一枚捨てたよ! これは「加えカン」できるの?
ティナ:「加えカン」はあくまで自分でツモってきたときのオマケ。相手の牌でカンを加えることはできないよ。


●「暗カン(アンカン)」について

 ツモ

ティナ:「カン」にはもう一種類ある。それは「暗カン」だ。自身で同じ牌を3枚持っているときに4枚目をツモったら「暗カン」ができる。

  

ティナ:今まで同様、4枚まとめる。一応「暗カン」だとわかるように4枚中2枚裏返し。
リアン:これも「ドラ」が増えるんだよね? でも折角「リーチ」や「面前ツモ」ができる状態なのに、鳴いちゃったら勿体無くない?
ティナ:これは相手から「鳴いて」揃えたわけじゃないので、なんと「リーチ」も「面前ツモ」もできるんだ! つまり、鳴いていない面前扱い。
     つまり、自ら「ドラ」を増やして「リーチ」もできちゃうわけ。本来は相手に隠している牌を晒して、チャンスを増やすってことよん。
リアン:なるほど、一発逆転も兼ねるのね…。でも、やっぱり相手にも「ドラ」を増やしちゃうわけだから…。
ティナ:もちろん、自分がダントツでトップとか、相手が「リーチ」しているときとか、時と場合によっては「暗カン」であってもしなくていい場合だってあるよ。


●「カン」をしたときに発生する「役」その1・「嶺上開花(リンシャンカイホウ)」

 ツモ  

リアン:えーと、じゃあここで「加えカン」だね。

 ツモ  

リアン:あらっ、ラッキー。ツモっちゃったー。
ティナ:「カン」をしたあとに「王牌」からツモって来る牌を「嶺上牌(リンシャンハイ)」って言うんだけど、
     その牌であがれた場合は「嶺上開花(リンシャンカイホウ)」って言って、1翻役になるよ。
リアン:ふーん、これも「一発」みたいな感じで運だけの「役」なんだね。…あれ、これって「役」なの? ってことは…、

 ツモ   

リアン:こういう「役」が無い状態でカンをして…、

 ツモ   

リアン:「嶺上開花」のみ、であがるってできる?
ティナ:きちんとした「役」扱いだから役無しで成立しても有効だよ。…まあ、狙ってできるものじゃないからね。


●「カン」をしたときに発生する「役」その2・「搶槓(チャンカン)」

リアン:そう言えばさっき、「加えカンは危険な行為でもある」ってあるけど、それは相手にも「ドラ」を増やしてしまう、という意味で?
ティナ:それもあるけど、特別な役としてもう一つ、「加えカン」をしたとき、その牌が相手の当たり牌だったら横取りして「ロン」できちゃうんだ。

 ツモ   

ティナ:例えば、さっきの場合で解説するけど、ここでを「加えカン」する。
     ここでもし、他の人の当たり牌がだった場合、特別な例で「ロン」が成立してしまうんだ。これを「搶槓(チャンカン)」って言うよ。
     これも1翻役扱い。
リアン:役扱いなのか…。ってことは、相手が役無しだったとしても、これは「ロン」されちゃうのね。
ティナ:その通り。ただ、これも「嶺上開花」同様、狙ってできる役でもないし、珍しい役でもあるよ。
     滅多に起きないから、たまに何故ロンされたのか、あるいはロンできたのかがわからなくなることもある。
     そんなときはこの役の存在を思い出すといいね。
     本当に当たり牌っぽい、と殺気付いたら、「加えカン」もせず、捨てないで相手をあがらせない方法を取るといいよ。
     ロンされちゃったら、一人で全額支払いだからね。
リアン:これ、「暗カン」をしたときも、相手の当たり牌だった場合はアウトなの?
ティナ:これはあくまで「加えカン」のときだけ。「暗カン」の場合は大丈夫だよ。
     超例外な特殊ルールで、相手が役満の「国士無双」だった場合は「暗カン」でもダメだ。


●「カン」をしてはいけないとき

 ツモ

リアン:うーん、これはバラバラな配牌だなぁ…、ってあれ、で「カン」ができるー。早速…。
ティナ:おっと待ったリアン! いきなり初っ端から「カン」なんかしちゃダメだよ!
リアン:なんでー? これでいい牌なんかツモれたらラッキーじゃん、運試しだよー。
ティナ:ダメもとで「カン」もアリだけど、もし「カン」をしたあとで、とツモって来ちゃったらどうするの?

  

リアン:そりゃーもちろん、「123」の「三色同順」がー…、ってああーっ! そうか、がもう無い!
ティナ:そう、麻雀牌は「1種類につき4枚」しか無い点に注意ね。先に「カン」をして必要な牌を固定しちゃうと、後々牌が足りなくなることもあるよ。

 ツモ
  ↓
 ツモ  

ティナ:折角テンパイ手前まで来ているのに、ついうっかり「カン」をして自ら潰しちゃうこともあるから気をつけてね。
リアン:なるほど…、これはしっかりと「234・333」だと分けて考えないとダメなわけね。
ティナ:カンをする前に他の組み合わせも考えられないか、応用を利かせるのも、麻雀の楽しいところ。


●リーチをしたあと、「待ち」が変わってしまう「カン」はできない



ティナ:今度はルール上で「カン」をしてはいけない状況を説明するよ。この形は覚えてるかな?
リアン:えーと、これはstep7で習った、特別な「待ち」だね。確か、だったかな。
ティナ:ピンポン! で、ここで1,000点賭けてリーチを掛けたよ。

 ツモ

ティナ:もし、リーチを掛けた状態でが来た場合、これは「カン」できないんだ。
リアン:え、これ、4枚目だよね? リーチしたあとはカンできないの??
ティナ:いやいや、リーチ後は「鳴かない」状態、つまり「暗カン」はできるんだ。
     しかし、「待ちが変わるカン」はしていけないルールになっているんだよ。

  

ティナ:実際に「カン」しちゃうと、ホラ、待ちだけになっちゃったよね? こういうカンはできないよ。「送りカン」なんて言うね。
リアン:「待ち」が変わらないなら「暗カン」してもいいんだ! じゃあが来たときは「カン」OKね?
ティナ:「待ち」が変わらないならリーチ後も「暗カン」ができる。「暗カン」なら「搶槓」される心配も無いし、もう一回牌を引くことができるね。
     しかも、自分はリーチをしている状態で「ドラ」も増えるし、運が良ければ「嶺上開花」が入っちゃうこともあって、得なことが多いよ。
リアン:これ、もし間違ってを「カン」しちゃった場合はどうなるの? やっぱりチョンボ?
ティナ:この場合、ぶっちゃけ、相手にとっては反則したのかどうかわからないから、黙っててOK。
     ただし、「あがり」をしちゃったり、「流局」になった場合は手牌を見せないとならないので発覚してしまう。こうなった場合はチョンボだ。
リアン:バレなければチョンボにならないのね!
ティナ:チョンボにならないように打つんだよ!


●「カン」をして相手を引っ掛けることもできる

 ツモ

リアン:じゃあ、待ちでもある、こんなときも「カン」なんかしたらダメね! だけになっちゃうもの!
ティナ:そういう考えもあるけど、これは相手の心理を突いて「カン」するのもアリだよ。
リアン:ええー、なんでー?!

 ツモ  

ティナ:まあ、「暗カン」すると、こうなるよね。

  ツモ 

ティナ:相手からはこう見えるわけよ。
リアン:ああー、そっか、もうは無くなっちゃったってわかるから、って揃えられない…、は「アタマ」にでもしない限り邪魔になるってわけね。
ティナ:それに、相手から見ればリアンはと持っていないから、は捨てても大丈夫かな…、なんて引っ掛けることもできるわけ。相手は捨てやすくなる。
     こんな感じにわざと「暗カン」をして相手を眩ませることだってできるのよ。通称、「壁」なんて言うね。戦略のひとつだと思って頭の片隅に残しておいてね。



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