麻雀基礎知識指南 〜 EXTRA 1:相手が「リーチ」してきたときの対処法――「筋」を覚える

リアン
「うえーん! 早速ゲームで遊んでみたけど、
 相手が先にリーチして来ちゃったー! いっつもロンされちゃうけど、なんでー?!」
ティナ
「よし、じゃあリーチを掛けられちゃったときの対処法を教えるよ!」

●「筋切り」について

ティナ:リアンは「フリテン」って覚えてる?
リアン:step6で覚えたやつだよね。一種類でも「当たり牌」を捨てちゃっていると、ロンができなくなる、ってやつー。
ティナ:そうそう。それをまず、思い出してね。

相手の捨て牌:

ティナ:さあ、これで相手はリーチを掛けてきたよ。実はもうこれだけで、捨ててもロンされない安全な牌「安牌(アンパイ)」があるんだ。
リアン:ええーっ、たったこれだけでー!?
ティナ:まず、「捨てた牌でロンができない」ってルールがあるよね? ってことは、もうそのまんま。は完全に安全だ。まあ、「現物」って言うね。
リアン:ああ、そっかー。じゃあ、まずはー、うーんと、コレ(南)を捨てようっと。
ティナ:そうそう。いきなり当たり牌なんか捨てちゃったら、ただのリーチに「一発」が付いて点数アップしちゃうからね。
     それに、「ロン」をされて8,000点だの、12,000点だの、一人で全部払うよりも、ツモされちゃって全員で割り勘のほうがまだいいし。
     1位になれなくても、2位、3位になれる可能性がある!

相手の捨て牌:

リアン:うええええ…、もう「現物」が無いよ…。どれを捨てよう…。もう勘で捨てるしかないのかな?
ティナ:ここで、グッと「ロン」される可能性を低くするコツを教えよう。それが「筋切り」だ。
リアン:筋? どっかで聞いたなあ…。
ティナ:フリテンのルールを思い出してみようか。



ティナ:例えばこの状態で自分が既にを捨てていたら、誰かがを捨てたとしても…?
リアン:「フリテン」であがれないねえ。
ティナ:うん、これを利用するのよ。
リアン:???

相手の捨て牌:

ティナ:相手の捨て牌をよーく見てみて。を捨てているのよ?
リアン:…うん?
ティナ:ってことは、相手は、とか、って両面待ちができないわけよ!
リアン:…う〜ん、どうして???
ティナ:むむむ…、これって説明が難しいね。じゃあ、例えばの話だけど、相手がこういう形でリーチを掛けていたとしたらどうなる?

相手の捨て牌:


リアン:フリテンリーチじゃん。…って、ああそうか! 相手からロンすることができないリーチじゃん!
ティナ:そういうこと。と、言うことは、これ以外の待ちをしている、と推理ができるんだ。
     麻雀ってのは、相手の捨てた牌をしっかりと見て、相手が持っている牌を予想する必要があるんだよ。




ティナ:要するに、こういう待ちでリーチをしたとしても、ロンができないってこと。「平和(ピンフ)」を狙う場合はこういう形にする人が多いよね。
     …まあ、こんなフリテンリーチは普通しないから、「こういう待ちの可能性は無い」って考えが正しいかな。
リアン:へー、相手の捨てた牌で、他の牌も大丈夫かって推理力も必要なのね。…うーん、でも、こんなの瞬時に考えられないよ。
ティナ:を捨てたら、が大丈夫「かもしれない」。同様に考えると、を捨てたらが、を捨てたらが安全「かもしれない」わけよ。
     この並び…、どっかで見たことない?
リアン:「1・4・7」、「2・5・8」、「3・6・9」、…ああーっ、「三面待ち」のときに習った「筋」だー!!
ティナ:そう。この「筋」を利用して、少しでも安全「かもしれない」牌を見極めると、捨てられそうな牌も一気に増えるよ。
     これを知らないと、本当に「勘」だけで牌を捨てなければならなくなっちゃうから、ロンばかりされるようになっちゃうんだ。

リアン:…ってことは、相手はも捨てているから、も安全だよね?!
ティナ:残念、それは根拠が無いよ。
リアン:ええーっ、なんでー?



ティナ:確かに、こういう「待ち」はやっていないだろうけど…、



ティナ:こういう「待ち」の可能性があるからねー。
リアン:うわっ…、そうか…、「筋切り」をする目安は、「4・5・6」からだけなのね…?
ティナ:その通り。「1〜3」「7〜9」からだと、反対側があるから、安全だという確証は無いよね。

リアン:…ねえ、さっきからやけに「かもしれない」って言い方をしてるけど、なんで「絶対安全」だと言わないの??
ティナ:実は、この「筋切り」を利用して、「引っ掛けリーチ」なんてのをする人もいるからさ。

相手の捨て牌:

ティナ:相手がこうやって捨てていて…、






ティナ:わざとこういう「待ち」をしていたらどうなる?
リアン:うわーっ、これってズルくない?!
ティナ:ズルいって…。いやいや、これも戦術だよ。要するに、相手の心理を読んで、相手が「筋切り」するのを待つわけさ。
     まあ、都合よく「引っ掛けリーチ」するのも難しいけどねー。ツモる確率は「両面待ち」よりも低くなっているし。
リアン:むむむ…、本当にたまーに、こういうことをする場合もあるのね。これも、リーチした人の心理を読まないとならないのか…。
ティナ:そうそう。経験や、効率を考えなければならなかったり、相手の心理も読んだりしないとならないのが麻雀。駆け引きがとても重要だよ。


●「裏筋」について

相手の捨て牌:

リアン:ところで、相手がこういう風に捨ててきて「リーチ」をしたとするよね? 「安全牌」も「筋牌」も無かったら、どうするの?
ティナ:本当に「勘」で捨てるしか無いね…。ただ闇雲に捨てるよりは、「テンパイ」に向かったほうがいいから、本当に「運」を天に任せるしか…。
リアン:あっ! の隣のなら持っているから、これなら安全そう?
ティナ:初心者のありがちな例として、「隣も安全そう」ってのがあるんだけど、確証は無いよ。むしろ、一番危ない牌でもあるんだ。
リアン:ええっ、危ないの?! なんで? だって、相手はピンズ要らなそうじゃん!!

パターンA ツモ

ティナ:じゃあ、こういう場合でリーチをするとしたら、どれを捨てて「リーチ」をする?
リアン:ええーと…、「平和(ピンフ)」も入れたいから…、を捨てるのかなあ?
ティナ:ほむ。じゃあ、が入るといいな〜…だなんてと持っていた、この場合は?

パターンB ツモ

リアン:うーんと…、やっぱりを捨てて両面待ちにして「平和」を入れるなあ。

相手の捨て牌:
パターンA
パターンB

リアン:…って、あっ! どっちもが「当たり牌」の可能性があるじゃない!
ティナ:そう。テンパイして切った周りの牌は安全とは限らないよ。むしろ、ギリギリまで持っていた牌を捨ててリーチってケースも多いから逆に危ないんだ。
     「4」を捨ててリーチしたら隣の「3」「5」が危ないよね。その「筋」として「3と6」「5と2」「5と8」も連帯で危なくなるんだ。これを「裏筋」って言うね。
リアン:うーん、うーん…。これはちょっとややこしい…。
ティナ:これは中級者向けの考えだから、まず最初は「リーチした捨て牌の周りは決して安全ではない」ってことだけを覚えておくといいよ。


リアン:なるほどー。この「筋切り」ってのを覚えていれば「ロン」をされる可能性はちょっと減るかもね!
ティナ:でしょ? でも、ずーっと「ロン」されないように、って逃げてばかりいても、今度は自分があがれないからねえ。
     自分がドデカい役をあがれそうなときは、運に賭けて、思い切って「あがり」に向かっちゃっても面白いよ。
リアン:ええーっ…、それでロンされたら…、怖いなあ…。
ティナ:これも麻雀のゲームバランスだよねえ。自分が8,000点あがれそうで、実は相手はたった1,000点ぽっちの「リーチのみ」かもしれないんだから。
リアン:あっ、それなら勝負して「あがり」に向かっちゃうかもー!
ティナ:でも、実は相手はそれよりも大きい「跳満」とか「倍満」だなんて可能性もあるわけよ。
リアン:うぐぐぐ…。
ティナ:自分よりも高い役をあがられたくなかったら、ロンをされないように「降り」ることが大切かもね。これも、戦術であり、運かも。



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